子育ての悩みを解決!心のコーチングスキルで親も子もともに成長しましょう♪
育児、子育ての方法について、どうすれば良いか悩んでいませんか?
子どもを授かった時、女性は母親となり、子どもが生まれたとき、男性は父親になるといいます。
では、その時を迎えるのにあたり、男女とも、親になるための準備が完了しているでしょうか?
今回はそんな子育てに関する悩みに答えを出す本を紹介いたしますっ!
出版:PHP文庫
著者:菅原裕子
「子どもの心のコーチング」
子どもの心のコーチング 一人で考え、一人でできる子の育て方 (PHP文庫) [ 菅原裕子 ] 価格:607円 |
人材開発コンサルタントとして企業の人材育成に従事していた著者が、
その人材開発スキルである「コーチング」の考え方をもとに、
子どもが自分らしく生きることを援助したい大人のためのプログラムとして、
「ハートフルコミュニケーション」を開発しました。
「コーチング」とは、本来人が持っている能力を開花、開発させ、
才能を解放させることで人の能力を開発するスキルのことです。
そして、「ハートフルコミュニケーション」は、
いきいきと輝く目をもち、積極的に生活に取り込もうとする子どもの「生きる力」を開発しするものです。
また「ハートフルコミュニケーション」は、親自身のコーチとしての能力開発も同時に成し遂げられます。
本書では、多くの親子の悩みや体験をもとに、
どうやって子どもの自立を促していけばよいのか?
ということについて、その考え方がまとめられており、
この「ハートフルコミュニケーション」というコーチングスキルを身に付けられる一冊となっております。
このスキルは、子育てだけではなく、人と関係を持つ場のすべてにおいて役に立ちます!
それでは
子どもの自立を目指すハートフルコミュニケーションとは?
その考え方やアドバイスが詰まった一冊である
本書の中身について紹介をしていきましょう!
・本書の紹介
本書の構成は、大きく下記の5章に分かれています。
第1章 「親の役割は何?」
第2章 「子どもに教えたい3つの力」
第3章 「子どもを幸せにするしつけ」
第4章 「心を結ぶ聴き方・伝え方」
第5章 「親の幸せは自分で作る」
それぞれの章の中では、実際のケースステディや分かりやすい例がたくさん載っており、理解がしやすい構成になっています。
それでは各章について紹介していきましょう♪
第1章 「親の役割は何?」
近年、凶悪犯罪の低年齢化、引きこもり、不登校、いじめ、家庭内暴力、
逆に子どもが被害者となる虐待など、
子育てに関する数多くの問題があります。
こうした、さまざまな子どもにまつわる問題の根っこには、
子どもが自立できていないこと、もしくは自立できないまま親になってしまった親たちが、原因となって問題を引き起こしている、と解説しています。
キーワードは「自立」です。
では「自立」とは、いったいどのような状態なのでしょうか。
本書では、
人をあてにしなくても自分の力で生きられること
自分でできないときには素直に人に助けを求めることが出来ること
としています。
人間の赤ちゃんというものは未熟な状態で生まれてきます。
そのため、生まれた時から「自立」を求めることはできないですよね。
赤ちゃんの時期というものは完全に依存状態にあります。
この時の親の献身的なお世話は、その後の子どもの人格形成に大きな影響を与えるそうです。
子どもの成長といものはめざましく、このような完全な保護の状態というものが必要のない時期が訪れます。
しかし、その成長に気づかない親は、それまでの延長で、変わらず子どもの保護と支配を続けてしまうケースがあるのです。
では、子どもをどう援助したらよいのでしょうか?
「援助」という言葉を辞典で調べると、「HELP(ヘルプ)」と「SUPPORT(サポート)」という意味が出てきます。
パッと見は似たように見えますが、この2つ
実は天と地ほどの違いがあるのです。
「HELP(ヘルプ)」とは、「出来ない」人のために、その人に成り代わってやってあげること。
つまり赤ちゃんに対し保護者が行うことがヘルプになります。
一方「SUPPORT(サポート)」は、
人を「出来る」存在としてとらえて、そばで見守り、よりよくなるために必要に応じて手を貸すこと。
つまり、赤ちゃんから成長し、出来ることがどんどん増えてた子どもに対して行うこと
これがサポートとなるのです。
この「HERP(ヘルプ)」と「SUPPORT(サポート)」の2つ違いを
次のような比喩的な問いを考えることで理解を深めることができます。
問.
「飢えている人がいたら、魚を釣ってあげますか? それとも魚の釣り方を教えますか?」
魚を釣ってあげる、といのはヘルプになります。
飢えている人に対して魚を釣ってあげるということは親切で尊い行為だと思います。
それでは、ずっと魚を釣りつづけてあげるとしたらどうでしょう?
確かに飢える人は、魚をもらい続けることで生きていくことはできます。
ですが、飢える人は、自分で飢えという問題を解決できず、ヘルプしてくれる人に頼って生きていくことになってしまいます。
そして次第に、飢える人は、人に頼らなければ生きていけない無力な自分に嫌悪感を抱くようになるでしょう。
それでは、魚の釣り方を教えてあげるのはどうでしょうか?
援助する側にとっては、魚釣りの技術を持たない人に、釣り方を教えて、できるようになるまで待つよりは、魚を釣ってあげるほうが簡単でしょう。
技術を持たない人に教え、出来るようになるまで待つ、ということは忍耐がいることだと思います。
しかし、釣り方を習得するのを待つことが出来れば、いずれ飢える人は自分で釣る事ができるようになり、援助者を必要としなくなるでしょう。
これは子どもも同じことが言えます。
親は逐一子どもがしなければならないことを代わってしてあげるのではなく、
子どもが自分で学び、発見できるよう、環境を整えてあげることです。
そして子どもの邪魔をしないで、子どもの人生を子供に任せていくことが大事なのです。
第2章 「子どもに教えたい3つの力」
この章では、子どもたちに教えたい、生きる上でもっとも大切な3つのことについて述べています。
それは
「愛すること」
「責任」
「誰かの役に立つ喜び」
です。
人が生きていくうえで最も大切な感情は何でしょうか?
それは「自己肯定感」です。
自己肯定感とは、自分の存在を肯定する感覚になります。
つまり、自分はここにいるべき人間であり、まわりの人は自分の存在を喜んでいる。
「私は自分が好きだ」という感覚です。
もしも、自分が好きでなければ、生きているのは苦痛です。
また、まわりが自分の存在を喜んでいない、と思ってしまうのであれば、それは暗闇のような毎日でしょう。
親のもっとも重要な使命は、子どもに自己肯定感を与えることです。
そのために必要なことが、「愛すること」を教えることです。
この章では「愛すること」を教える、について解説がされています。
「愛すること」を、子どもを自分の理想に沿わそうとする行為へ置き換えていないか。
また、甘やかすことと、「甘えを受け入れる」ということの違いについても説明されています。
「愛すること」に次いで、
「責任」を教えること、があります。
ここでは、責任を教える第一歩として、
子どもが学校に遅刻しないようつい起こしてしまう、事について、一人で起きることを任せてみる、というやり方の紹介があります。
最後の、
「人の役に立つ喜び」を教えること
では、子どものやる気を出させるためにやりがちな3つの誤解について、
ある保護者からの質問をもとに解説されています。
子どものやる気を出させるためにほめて育てたいが、ほめてばかりではしつけにならないのでは
叱ろうとすると感情的に怒っていることに気づき落ち込んでしまう
うまく叱るにはどうしたらよいでしょうか?
この質問に潜む3つの誤解というのは、、
①「ほめることはいいことだ」という誤解
②「叱ることがしつけになる」という誤解
③「うまい叱り方といものがある」という誤解
この、ほめること、叱ること、もしくはモノやお金を与えることも、全て外からの働きかけによって子どもをその気にさせる行為です。
本当のやる気は、子ども自身の中から湧いてくるものです。
本書の中では、
「副作用の多い」動機づけ
と表現される「ほめる」、「叱る」、「モノを与える」ではなく、
最も「副作用のない」動機づけとして、
「人の役に立つ喜び」
が上げられています。
人は本来、誰かの役に立ちたいと願っています。
家族や身の回りの人が自分のやったことで喜んでくれる、、
これは「自分が喜ばれる存在である」と受け取ることが出来るのです。
同じことを子どもにやらせるとき、心躍る思い出喜んで取り組んでもらうのと、いやいややらせるのとどちらが良いか、答えは明白ですよね。
感謝や共感をすることにより、子どもに大切な「人の役に立つ喜び」を教えることが出来るのです。
第3章 「子どもを幸せにするしつけ」
ここでは、ハートフルコミュニケーションの具体的アプローチが紹介されています。
どのような態度で、どのように子どもに対し接すれば良いか
ということが具体的に書かれています。
まずはは生活の枠組み(ルール)を作る、です。
これは子どもをルールでガチガチに縛る、ということではなく、
どうしてこのルールを決めたのか
それを親子で互いに話し合い、家族で気持ちよく過ごすためのルールを作る、ということです。
それを互いに理解したうえで、しっかりルールを守っていく、というところが大事になります。
そして、もう一つの内容が、この章の中で特に良いな、と感じましたね。
それは、親の怒りのコントロール(アンガーマネジメント)です。
子どもがすること、したことに対して、どうしてもすぐ怒り口調で接してしまう時ってありませんか?
ここでは、このような接し方となる、子供への
指示、命令、小言
をなくすよう提案されています。
「どうしても難しい場合はしゃべらない事から始めましょう」
なんて事も書いてあるくらい、これらの接し方には良いことがない、と解説されており、
その効果について説明されています。
これらについては、特に次の内容を読んで、「なるほど~、、」、と納得しましたね。
「目を閉じて、あなた自身があなたの子どもになったことを想像してください。
子どもであるあなたの前に、親のあなたがいます。
こちらを向いて小言を言っています。
その顔を見てみましょう。」
、、、はい、目を開けて。さて何を感じましたか?
子どものあなたは、親に言われたことをやる気になったでしょうか。
育児・子育て以外のケースにおいても、この怒りのコントロール(アンガーマネジメント)は有効でしょう。
仕事も含め、人とかかわる関係性では、相手の立場になって考える(想像する)、ということがいかに大事なのか、が分かる内容ですよね。
それでは、なかなかルールを守れない子どもには、どのように接すれば望ましいのか?
については下記の説明がなされています。
それは、親が望んでいる状況をハッキリと決め、それを感謝や共感というプラスのメッセージをそえて伝えることです。
決めたルールを子供が守れるのを待ち、それが守れた時に、「よく出来たね♪」「やってくれて助かる(うれしい)♪」などのプラスの感情のメッセージを伝えることです。
本書では、身の回りでありそうな似たような実例の記載がたくさんなされています。
第4章 「心を結ぶ聴き方・伝え方」
ここでは、子どもの話を聞くことの大事さ、そして、話を聞く際の効果的な聴き方について、5つの技術の紹介がされています。
この5つの技術は、人材開発コンサルタントである著者の技術が詰まっている、と感じました。
①黙る(話をさえぎらない)
②言葉の反射(くり返し)
③問題を解決する聴き方
④感情の反射で気持ちを汲み取る
⑤相手の話を体で聴く(あいづち・リアクション)
相手が話をしているのに、それをさえぎって、自分の意見をしてしまう、、
この、最初の①黙る、ということだけでも出来ていない方、多いのではないでしょうか。
この章では、この5つのルールを示したうえで、
相手に対してメッセージを送るときに大事なこととして、
具体的に何をしてほしいか伝える。
命令や指示ではなく丁寧にやさしく依頼する(機嫌をとったりへつらうわけではない)。
そして自分の気持ち(感情)や状態を踏まえ、どうしてそうして欲しいのかを伝える。
ということが大事である、としていますね。
第5章 「親の幸せはじぶんでつくる」
最後のこの章では、
子どもを親の自己実現の道具にすることはせず、親もまた子どもから自立しましょう
完璧な親なんて無理、子どもとともに成長しよう
というメッセージが書かれています。
これは僕自身の経験からくることなんですが、
僕は、最初の子どもが生まれたときは仕事が忙しい時期で、正直まったくと言っていいほど子育てに参加していませんでした。
ただ、あることをキッカケに朝の保育園の送りをすることになったんですよね。
最初は少し義務的な感じでやり始めたのですが、こうして子どもとの接点が増えると、徐々に子どもがなついてくれるようになってきたんです。
これは自分にとってすごく新鮮な衝撃でした。
それからは真逆といってよいほど、自分の中での考え方が変わりましたね。
個人的な感想でいえば、子育て、特に男親に関しては、どうしても頭で考えることから入ることが多く、
実際に経験しなければ分からないことも、知った気になってしまうことがあると思っています。
この本にも書いてある通り、親も子供を授かってからがスタートです。
子どもと一緒に、いろいろ失敗や経験をしながら、少しづつ成長していければよいのではないでしょうか。
最後に、本書のおわりとして、「ひび割れ壺」の物語、というインドの昔話が乗っています。
あるがままを受け入れ、それを伸ばし、活かす事が大事なんだなぁ、と感じました。
是非本書を手に取って読んでみてくださいっ!
それでは、また次の本でお会いしましょう♪